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ニャンちゅう活動報告書

自由をテーマにした猫と自身の記録。

西池袋にある小さな美術館で見た絵

 

先日、西池袋にある小さな美術館に行きました。

 

美術館は静かな住宅街の中にあって、なんだか不思議な気持ちでした。まるで生活の中の一部にあるような、日常との境界が感じられないようなそんな場所だったのです。

 

適切な言葉は、なかなか見つかりませんが、その場所は「ふとした瞬間」だったような気がします。それは時間が短く感じられたというよりも、道を歩いていたら何かの気配がして、思わず振り返ってしまった.....そんなシーンの心持ちに似ていました。

 

きっと、振り返ったときには何も無くっているかもしれない。それぐらいに静かな場所です。

 

無機質な壁と温かみのある照明の展示室には、油絵と書と、いくばくかの銅像が飾ってありました。どれも落ち着いた色合いで、扉を開けて作品と対面した瞬間に心がしんとする。何か作品たちが無音で語りかけてくる気がする。そして、その声を聞こうと思わず立ち止まってしまうのです。

 

時々、荒っぽい所作が絵や像の中に見受けられます。それらは作者の「飽き」なのでしょうか、それとも「葛藤」なのでしょうか。

 

その答えは人知れずどこか遠くにあります。彼は随分と前に亡くなりました。

 

時をこえて、場所をこえて、死をも超越して、遺された作品は多くのことを語りかけてきます。それは「言葉」すべてに共通したもの。彼が長い人生を通してたどり着いた「彼の本質そのもの」だったのかもしれません。

 

どうして、あんなにも穏やかな絵が自分の心を深くうつのでしょうか。

 

「下手も絵のうち」という熊谷守一の言葉もまた、好きな言葉です。